[内視鏡下椎間板ヘルニア摘出(切除)術(MED)]


従来行われていた方法はLove法といって5~6cmの切開を加え、骨(棘突起)から筋肉を剥離し、肉眼的に神経 を確認、その奥にあるヘルニアを摘出するものです。しかし、内視鏡を使った新しい手術方法が1990年代後半に 開発されました。傷が小さく(2cm弱)、筋肉は剥離せず繊維方向に分けて進入するので
1. 出血が少ない。
2. 術後感染が少ない。
3. 手術後の痛みが少ない。
4. スポーツ・仕事への復帰が早い(高齢者の社会復帰にも有用)。
5. 入院期間が短く、そのため入院治療費が安くなる。
などのメリットがあります。当院でも2000年(平成12年)から導入し現在に至ります。

[手術方法]


① 全身麻酔をします。
② X線で手術する部位を確認し、局所麻酔をします。
③ 2cm弱の皮膚切開を加え、筋肉を繊維方向に分けます。
④ 16mmの筒を挿入します。
⑤ 内視鏡(カメラ)を挿入し、手術部位の画像をモニターで見ながら、神経をよけてヘルニアを摘出します。
⑥ 皮下を縫合、皮膚はテープで止めて手術終了です。
⑦ 全身麻酔終了し帰室です。
※ 手術時間は30~60分程で骨の変形(年齢で大きく異なります)、ヘルニアの大きさ・形態によって異なります。

[術後経過]


(手術当日)
・麻酔から目覚めた時点で痛みの改善を自覚されるようです。
・麻酔がしっかり覚めたら飲食・歩行可能となります。
(翌日)
・退院に向けリハビリを行うことが可能となります。
(その後~術後1週間)
・痛みが改善し、患者さんの自信がつき次第、退院可能です。
(退院後)
・職場復帰は事務系で術後約3週以降、肉体労働で約4週以降を目安にしています。

[内視鏡手術の現在]


当院がMED(腰椎椎間板ヘルニアの内視鏡手術)を開始した平成12年当時は北海道で定期的に手術を行う施 設はほとんどありませんでした。内視鏡手術では特殊な手術機械が必要なこと、また熟練した手術手技が必要と されるからだと思います。
しかし、手術による体への負担の少なさ、入院期間が短く社会復帰が早いことが一般 に知られるようになり、最初からMED希望で受診される方がかなり増えています。また後進の整形外科医の努力 もあり、他の病院でも日常的に行う施設が増えてきたようです。ただし、今後も高度な技術をようするため、施設 選びを慎重に行うことが重要です。

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[内視鏡下椎弓切除(形成)術]


MEDを応用した高齢者の腰部脊柱管狭窄症の手術が盛んになってきています。

1.内視鏡下片側進入両側椎弓切除(形成)術(MELもしくはMELP)

正中の骨(棘突起)をよけ、左右どちらかから斜めに内視鏡を挿入し、脊柱 管周囲全体の黄色靭帯、骨を削り、狭窄を改善します。

2.内視鏡下棘突起間進入椎弓間除圧術(ME-MILD)


正中の骨(棘突起)の一部および靭帯を切開し、正中から 内視鏡を挿入、脊柱管周囲全体の黄色靭帯、骨を削り、狭窄を改善します。

※ 当院では患者さんの状態により術式の使い分けをしています。
◆ 方法、術後経過についてはほぼMEDと同じです。
◆ 対象年齢の制限は設けず、80代以上の方でも内科・麻酔科医師と相談の上、手術しています。


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